実は、業務用LPガスも少し詳しいのですよ

まあ、わたくし自身、当時、家庭にいろいろあって、この方のお父さんに雇ってもらったことがありました。平成3年~5年のお話です。物心両面で、この方のお母さんに大変お世話になっています。それで、ここで何をしていたかというと、あまり耳なじみのない機械なんですが「業務用自動LPガス切替弁」の改良設計を担当していました。それに先立ち、旧プロパン専科(高圧ガス保安協会:特定高圧ガス取扱主任者・液化石油ガス)を受けさせてもらえました。千葉県立千葉工業高等学校・情報技術科卒ということもあり、電気・電子が専門だったので、兵庫県尼崎市で食べていくには、何が何でも食らいついていかないといけないなあと、千葉なまり丸出しのシャイなわたくしは、そう使命感に燃えていました。

いまでは(他社の宣伝をしますが)L-R(エルアール)という、たいへん素敵な機械に生まれ変わっていますけれども、こちとら、機械科卒ではないので、電子製図しかしたことがないのです。もうね、OJTという名の「ぶっつけ本番」でしたねえ。当時の切替弁は、ガスの圧力が下がる→ダイヤフラム越しのバネの力が勝つ→スピンドルが下がる→ロックレバーが上がる→特殊な形状をしたカムが解き放たれる→90度回転してボール弁が回る→結果、満タンなガスのボンベ系統に切り替わる、といった仕組みを先輩社員が既に作っていましたので、これをまず改良せよと。つまり、おもり(重錘)がドスンと落ちると、プラントの配管にあまり良い影響を与えない。なにか、ショックアブソーバー的なものを装備せよと。そして、重くてでかいので、それを軽く、コンパクトにせよ、というのが、わたくしに課せられた使命でした。

ね、素敵でしょ(笑)こんな素晴らしい知恵は、電子・電気専門のわたくしにとっては、大変困難な課題であり、まずは、図面の書き方などから学ぶ必要がありました。幸いにして、現在では、コンピュータ博物館にあるような、NEC EWS-4800/12(CISCマシン)という、一種のUNIXワークステーションで行う、2.5次元CAD(電子製図)をやってました。なので、じつはここで初歩的なUNIX/Linuxコマンドは会得していました。なぜならば、ストリーマー(ちょっと死語)という、テープバックアップ装置を、マウント/アンマウントする際に、どうしてもコマンド入力をしないと、バックアップが作成できなかった、という事情からです。なので、案外、UNIXの経験は古いのですよ(・∀・)ノ

まあね、こんな感じで当時の取締役技術部長さんと、じかに、しかも二人三脚で、ヒラの人間にとっては、猛烈なプレッシャーを感じつつ、まだ近畿の習慣に慣れていなかったので、よけいにカルチャーショックで寝込むときもありましたね。千葉では、何か考え事をしていると、周囲が察して「どうしたの?」ぐらいは言ってくれるものなのですが、ほぼほぼ大阪市というロケーション。そして、あのくっちゃべりの「ダウンタウンさんたち」を育てた街でありますから、幾ら母親の故郷といえどもコミュニケーションひとつとっても難しいものがありました。僅かでも、標準語アクセントを話そうものならば周囲からハブられるなど、技術的側面以外でも、苦労しましたね。なので、上方落語のカセットテープを自費で購入し、イントネーションを矯正し、なるべく周囲から、できるだけ嫌われないようにつとめました。

そんなこんなで、3年が経ちました。今にして思えば、試験研究費の垂れ流し(笑)まあ「カグラベーパーテック・利益垂れ流しセンター」といった感じのわたくしでした。まあ、総務は嫌な顔をするはずです。いまでこそ言えるのですが、もし、これを、導電性の66ナイロン素材のカムで組んだら、もしかしたら今よりも劇的に軽くなるのではないか。そう考えて、実際に試作機を作りました。おかげさまで、めちゃくちゃ軽くなりました。しかしながら、技術部長さんが「ちょっとそれは僕が責任が持てないのでダメ」という理由で却下ということで(笑)あの、眠れずに、会社に居残った時間を返してくれ、とは申しませんけどもね、いいアイディアだと思ったのですけどもね(・∀・)ノ

まあね、出来た機械を見せると、営業のみなさんが「なんだこれは!」と仰るわけですよ。今までに見たことがない姿かたちをしているのです。切替弁が。LPガス業界に対する、固定概念というものが、わたくしにはまるでなかったので(笑)そりゃそうだ、機械のド素人が、激しい頭痛やひどい寝不足を乗り越えて、どうにかこうにか形にしたものです。悩みすぎて、食事をこっそり一人で取ったり、食事さえ満足にのどを通らないプレッシャー。きっと、取締役技術部長のご指導がなければ、たぶん、僕には何にも作れなかったと思いますね。この歳になればわかる、感謝、感謝。よくぞ我慢されました。また、すこしでも、ガス漏れを起こそうならば、最悪のケースを想像すると精神衛生上よくないわけでして「漏らしたらあかん!」と思って、必死に設計にあたりましたねえ。これは、若いからこそできることですね。もし、今やってください、お願いしますと言われても、たぶん体力的にギブアップするんじゃねえかなあ、と思うわけなんですよ。ええ。

経験から申し上げれば、メーカーにおける「イノベーション」というものは、時に不可解なかたち、見慣れないかたち、常識をくつがえすようなかたちをとることがあります。営業マンにとって、すぐには受容できないかたちをとることがあるのです。例えば、アインシュタインさんが、べろを出したくなる気持ちも、分からなくはないです。なぜなら、周囲の理解が得られないからです。時代が、本人に追い付いていない場合もあるのです。なので、周囲は無理解をせずに、イノベーションに対して、新しい物事に対して、もう少し寛容であるべきだと考えます。とりあえずは、よく頑張ったね、ぐらいの一言は欲しかったですね。「これは、こういう形をしているものだ、それが常識だ」という枠を取っ払って考えなければ、真のイノベーションは起きないわけでして、たとえ、僕が完璧なイノベーションを実現できなかったとしても、次の世代に、少しでも資するようにしたいのです。次の世代の人たちに対するヒント、あるいは、きっかけ作りと申しますか。

以上、おっさんの昔話でした(・∀・)ノ

ネットウイングス 設立準備室 代表 田所憲雄 拝

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