職場で一人前に育てたくない人に愛のムチは打たない

なんかね、まあ、若い頃は、クリエイティブ系(機械設計、DTPオペなど)の仕事についていた時期があり、この話を見ていてわかるんですが、今から思えば、上司にしてみれば「こんな不完全な製品を世の中に出すわけにはいかない」「こんないい加減な製品を世の中に出せない」という、クオリティを追求する姿勢が、技術系、クリエイティブ系には特にあり、同時に「こいつをいずれ一人前のエンジニアや職人に育てるんだ」という一種のしっかりとした徒弟制度がかつてはあって、もしいま、僕が上司や、同じような立場ならば、自分にとってどうでもいい奴は好きなように遊ばせておきます。放置します。しかし、その若者に関心があり、なんとか一人前に育って欲しい。そして、出来るだけクオリティの高いモノづくりをして欲しいと願うあまりに、地鳴りのような大声で、強烈なダメ出しをしたのでしょう。今から思えば、そう感じるのです。(しかし、ダメダメやりすぎると本人のモチベーションが下がります)そして、よくもまあ、試作機設計図や版下などを、目の前で横紙破りにひっちゃぶかなかったな。それは上司が我慢してこらえていたのだろう、目をつむってくれたのだろうと、今ならば思えるのです。

アニメーション制作の現場では、かつてのような徒弟制度がなくなってきている。それは、教えたところで、他所から引き抜きに遭ったり、プイっと辞めてしまったりする上に、教えても教えなくても上司のギャラはおんなじ(笑)ということも手伝って、しかも上司自身が部下のリカバーに回るので教育まで手が回らない事情が(この人の話によれば)あるのです。

この年齢になってようやく上司のありがたみが分かります。本当に育てる気がなくて、無関心で、どうでもいい人間に対しては、恐らく「好きにせえや」「椅子でもぬくめとけ」というように、放置されるのでしょう。怖ろしい上司に、怖ろしい声で、またぞろ何か言われる。これを若い頃は「お小言」と取ってしまいがちでした。しかし、会社が本日終了、という時間を過ぎてまで、上司はダメダメ言わなかった。その人にとって、仕事や会社が大事で、製品が大事で、常に良いものを提供しようというアタマがあってこそのダメ出しなわけで、ダメ出しされるのも、愛の一種なんだろう。それは会社に対する愛でもあり、自分が手掛ける製品へのクオリティを保つためのプライドがなせる業でもあり、そして、従業員や部下に対する愛なんだろう、と、この記事を読んでいて、中年男性になってみて、振り返ってみて、そう思うのです。

ネットウイングス 設立準備室 代表 田所憲雄 拝

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